柔道は大変だった
投稿者:YoyoYoyoY (52)
白い柔道着に黒い帯を締めて、颯爽と出て来たのは幼馴染みでした。
柔道の全国大会の試合のようです。
いつの間に柔道なんてやっていたのだろうと不思議に思いながら、
大声を出して応援していました。
大外刈り、払い腰、背負い投げ、次々と繰り出される技の数々に、
オリンピックをテレビで見るような気持ちでドキドキします。
もしかしてこの大会で優勝したら、オリンピックの選手候補になったり
するのだろうかと期待と緊張もピークに達していました。
わあああ!っと歓声が上がったと同時に幼馴染みが1本を決めます。
「すごい!陸上ばっかり頑張ってたのに、柔道の世界も切り開くなんて、
もう頭が下がるよ」
彼女の晴れ晴れとした面持ちに、思わず涙を流してしまいました。
この瞬間は絶対に忘れない!そう思いました。
「ぼちぼち起きないと遅れるよ」
遠くから、主人の声が聞こえて来ます。
(遅れるって何に?)
そう思った瞬間、ハッと目が覚めました。
(ものすごくリアルな夢を見ていた)
ぼんやりする頭で、夢の内容を思い出していました。
柔道の夢、それも私自身ではなく幼馴染みが試合をする夢です。
「うわ、何かダメな感じの夢だと思う」
私は背筋に冷たいものを感じつつ、書棚の中から夢占いの本を
取り出しました。
「134ページか、柔道をする夢は・・・」
争いごとに巻き込まれる、誤解を生じて困窮する、
解約や破局を迎える、病気やケガにも注意すること。
「うわ~良いところが何もないじゃないか!」
本をしまいながら、果たしてこれは幼馴染みの身に何か
起こるということなのかと疑問に思いました。
「ぼちぼち用意してよ、今日は味噌作り教室の
アシスタントをしてくれるんだろう?」
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