元暴走族の知恵
投稿者:いももち (40)
私が小学生の頃、近隣の学区で児童が車で連れ去られそうになる事件がたびたび起きていました。
私の小学校はスクールバスで登下校をしていたのですが、朝にバスを待っている時や夕方帰ってきた際に、停留所に子どもたちだけをいさせるのは危険だということになり、父兄が朝夕付き添ってくれることになりました。
近所にあまり地元の行事に参加しない元暴走族の若いご夫婦がいて、そこのお母さんが当番でやって来たときはギョッとしました。金髪にヒョウ柄のパーカー、キティちゃんの健康サンダル。自分たちの母親とかけ離れた雰囲気に緊張したのを覚えています。
しかし、そのお母さんはバスの待ち時間に私たちと全力で鬼ごっこをしてくれたり、女子の髪を可愛くアレンジしてくれるのでたちまち人気になりました。
ある時、とうとううちの学区で不審な車が現れました。幸い今回も未遂に終わったようですが、地域の緊張感は増していきました。
その次の日の朝、当番の元暴走族のお母さんがコンビニの袋をさげてやってきました。
みんな「なに買ったの?」「おやつ?」と口々に言いながら覗きこむと、大人の拳ほどの石が入っていました。
「なんで石なんか拾ったの?」と聞いてもなかなか答えてくれません。何度もしつこく聞くと、絶対内緒だよ、と前置きをして教えてくれました。
「不審者の車がきたらこれで殴るの」
「素手より威力があるし、不審者に当たらなくても車の窓を割れれば目立つから職質される」
「石もビニール袋も川に捨てればこっちのことはバレないからね」
その時はふーん、としか思いませんでしたが、いま思うとかなり実戦的で怖くなりました。
もちろん今は何の問題も起こさないご夫婦ですが、どんな過去があるのか気になりました。
※念のため書きますが真似しないでください
不審者でなかったら器物損壊だろ普通に考えて。
いやいや 不審者の窓ガラス割ってもアカンやろwww