幽霊屋敷の祟り
投稿者:件の首 (54)
クラスで仲の良いわたしたち4人は、幽霊屋敷と呼ばれる廃屋に動画を撮りに来た。
そこは住宅地から少し離れた畑の中にある古い大きな農家で、中学では様々な噂があった。
廃屋内はすっかり埃に覆われていた。
軋む廊下を進み、1つづつ部屋を見ていく。
「誰も、いないよね……」
気弱そうにAが呟く。
埃の上に、足跡がはっきり残る。
そして。
その部屋だけ、畳が外されていた。
床板には僅かに黒いシミがあった。
「ひっ!?」
声を上げたのはBだった。
足元には、異常な数のハエの死体が散らばっていた。
「この量、おかしい」
Cがカメラを下ろして言う。
「撮ったよ、帰ろう?」
「待って、隅々まで撮って」
更に10分ほど撮影をしてから、私たちは逃げるようにして帰った。
明けた月曜日、撮影係をしていたCは学校を休んだ。
翌日も、その翌日も出席しなかった。
結局わたしたちは金曜日の夕方、お見舞いに行く事にした。
Cのお母さんは、わたしたちを笑顔で出迎え、2階のCの部屋へ通してくれた。
布団をかぶって横たわっていたCは、わたしたちに気付いて顔を出した。
「ひっ!」
Bが声を上げた。
Cの顔は腫れ上がり、髪はかなりの量が抜け、地肌はひっかき傷だらけで、今も血が滲んでいた。
「お、お見舞いに」
わたしが言おうとする。
「……なんであんたたち、何ともないの」
私たちは何も言えない。
「A、あんたが話を持って来たんだよね。Bが動画撮ろうって言い出した」
わたしを睨む。
「それであんたは、一番先に逃げたよね」
「――ああ、あなたたちだったの」
背後から声がした。
「うちの子を、こんな事に巻き込んだのは」
Cのお母さんの顔は、見た事もない恐ろしい表情を浮かべていた。
わたしたちはCのお母さんを突き飛ばし、逃げ帰った。
即ブロックですね
素直に誤りましょう。