クラスで仲の良いわたしたち4人は、幽霊屋敷と呼ばれる廃屋に動画を撮りに来た。
そこは住宅地から少し離れた畑の中にある古い大きな農家で、中学では様々な噂があった。
廃屋内はすっかり埃に覆われていた。
軋む廊下を進み、1つづつ部屋を見ていく。
「誰も、いないよね……」
気弱そうにAが呟く。
埃の上に、足跡がはっきり残る。
そして。
その部屋だけ、畳が外されていた。
床板には僅かに黒いシミがあった。
「ひっ!?」
声を上げたのはBだった。
足元には、異常な数のハエの死体が散らばっていた。
「この量、おかしい」
Cがカメラを下ろして言う。
「撮ったよ、帰ろう?」
「待って、隅々まで撮って」
更に10分ほど撮影をしてから、私たちは逃げるようにして帰った。
明けた月曜日、撮影係をしていたCは学校を休んだ。
翌日も、その翌日も出席しなかった。
結局わたしたちは金曜日の夕方、お見舞いに行く事にした。
Cのお母さんは、わたしたちを笑顔で出迎え、2階のCの部屋へ通してくれた。
布団をかぶって横たわっていたCは、わたしたちに気付いて顔を出した。
「ひっ!」
Bが声を上げた。
Cの顔は腫れ上がり、髪はかなりの量が抜け、地肌はひっかき傷だらけで、今も血が滲んでいた。
「お、お見舞いに」
わたしが言おうとする。
「……なんであんたたち、何ともないの」
私たちは何も言えない。
「A、あんたが話を持って来たんだよね。Bが動画撮ろうって言い出した」
わたしを睨む。
「それであんたは、一番先に逃げたよね」
「――ああ、あなたたちだったの」
背後から声がした。
「うちの子を、こんな事に巻き込んだのは」
Cのお母さんの顔は、見た事もない恐ろしい表情を浮かべていた。
わたしたちはCのお母さんを突き飛ばし、逃げ帰った。

























即ブロックですね
素直に誤りましょう。