廃病院は人気スポット

　埼玉県H市に住んでいる知人は、中学生だった頃よく廃病院に肝試しに行っていたそうです。そこは現在では更地になっていますが、駅や大通りにわりと近いということもありその知人のように肝試しに行く人は少なくはなかったそうです。またホームレスの避難所のようになっていたこともあるとか。

　それはさておき。さすがに夜に行くと危ないので夕方に行っていたそうなのですが、そこはジャングルのように木々が生い茂っていて、なかなか近づきがたいオーラを放っていたのだとか。無論中にある病院も住居も木々に侵略されており、廃墟としてなかなかの雰囲気だったと言います。

　とはいえ内装は、少なくとも見た目のうえではそれほど痛んではおらず、医療機器やベッド、果ては位牌さえもそのままの形で残されていたとか。そういったものや不法投棄のゴミさえ我慢すればタダで使えるシェルターとしてはそう悪くなかったようですが、暗くなってくると人がいないはずの場所から不気味な気配がしたり、背筋が寒くなったりということが頻発したため夜になるまでそこに留まったことはあまりないそうです。

　なお、どうしてこの病院がこのような廃墟になったのかは不明で、地元の人でさえよく分からないそうです。しかし悪ガキたちによる数多くの武勇伝や都市伝説の舞台になったのは確かで、夜に一人で行ったら院内で自転車に乗っている雰囲気のような男が急に迫ってきただとか、そこのベッドで一夜を過ごしたら虫に食われてえらい目にあっただとか嘘か真か分からない様々な話があるようです。とはいえもうちょっと健全な遊び方をして欲しいものですね……。もっとも、大人が禁止したことをこっそりやるのが男の子というものですが。