パワーストーンと欲望

パワーストーンの選び方については諸説ありますが、私は直感で選ぶのが一番良いと考えています。
そう思うに至った体験は色々あるのですが、今回はそのうち2つのエピソードをご紹介したいと思います。

とある大学生の女性は、現実を変えるためのパートナーとしてフローライトを直感的に選びました。
フローライトとは「蛍石」とも呼ばれる、柔らかで透き通るような緑や青が美しい石です。
一般的には「思考力や発想力を高める」、「心身をリラックスさせる」などの効果があるとされていますが、彼女の持つ悩みは恋の悩み。
ローズクォーツ（紅水晶）やインカローズ（ロードクロサイト）など恋に良いパワーストーンは他にいくらでもあるのに、なぜフローライトの方に惹かれたのかは彼女自身も分かっていませんでした。

一方、とある親子は受験を成功させるためのパートナーとしてタイガーアイを選びました。
これは仕事運や金運、勝負運に良いとされる石……一見するとまったく妥当な選択に見えます。
この親子は先ほどの大学生の女性と違い、目的そして欲望からパワーストーンを選びました。

そして、その結果どうなったか……
大学生の女性の方は、ケンカしていた彼氏となんやかんやあって関係を修復し、また学業や就活の方もうまくいくようになりました。
後に話を聞いてみると、彼女の悩みの真の原因となっていたのは「あれもこれもやらなきゃと思うとかえって動けなくなってしまう」という特性。
外から見ると怠け者に見えることもあるのですが、これはむしろ真面目で責任感の強いタイプでよく起こることです。
フローライトには「思考を整理し、解決策やゴールを示す。あるいはそこまでの道筋を示す」という一面があるのですが、彼女が意識していなかったにせよきっとそれが役に立ったのでしょう。

一方、親子の方は受験に失敗しました。
これに大きなショックを受けたのは、子の方ではなくむしろ母親の方。
傍から見ていてちょっとかわいそうになるくらい、彼女はかなりキレ散らかしていました。
確かにタイガーアイは勝負事には強いんですけどね。

しかし、これに限った話ではありませんが、石は人間と違い忖度なんてしませんので、必ずしも地位のある人間にとって良い結果をもたらしてくれるとは限りません。
おまけに子の方は受験失敗のストレスで、仕方なく滑り止めとして行った学校で不登校気味になってしまいました。

言うまでもなく、これにも母親は大激怒しましたけどね。
精神科医はうつの一歩手前だから休ませろなどと言っていたようですが、母親は薬など飲ませたくないだとか現代医療は信用できないだとかそういったことを言って世間から隠すように子供を孤立させていきました。
一時期は自殺未遂など本当に危ない時期さえあったようです。
まあそれが後に「親離れ」という重要な勝負に勝つきっかけになったようですが。

もちろん、パワーストーン選びの際にお店や本の意見を参考にするのは悪くないとは思います。
しかし直感的にこれがいいというのがあれば、それに従った方が良いでしょう。
また石選びの際、あまり欲望だとか感情だとかそういったことは考えない方が良いのかもしれませんね……。
霊視や占いなどでもそうですが、人の欲望というのは簡単に人の性格や能力を狂わせるものですし。