裸足の女の子
投稿者:pams (61)
その日、私は家に一人でした。
シーンと静まり返った家で淡々と仕事をこなし、掃除をしていつもはしない箪笥の整理やクローゼットまでも整理していました。
そして和室の襖を開け布団を干した後、ふと天袋に目が行き、開けてみると荷物がたくさん入っていました。
すべて出し、いる物といらない物に分けて収納する事に。
この荷物はどの辺に置こうかと顔を上に向けると、天袋の天井部分が一部はがれている部分があります。
湿気や劣化でこうなることもあるだろうと気にせず作業していましたが、一応脚立に上り見てみました。
やはり湿気ではがれているようでした。そして脚立から降りようとした時、何かと一瞬目が合ったような気がして辺りを見回りましたが誰もいません。
落ちないように一段一段降りて床に左足が着いた時です。
冷たい何かが足首をキュッと掴みました。
とっさに悲鳴をあげて見ると何もありません。
脚立を片付け、玄関の掃除に移ります。
雨が降りそうなどんよりした空を見ながら箒を動かしていると、箒が何かに当たった感覚があり、目をやると黄色いスカートの裾に女の子の裸足の足だけが見えました。
目が合ったように感じたのも足首を掴まれたのも、この子かなと感じました。
その後夕食を作っていると「ふふふ」と楽し気な声が聞こえたりタタタっと走る音がしたりともうオンパレード。
でも不思議な事に怖さはなく、とても穏やかな気持ちでした。
人はどんな死に方をしたとしても、やがてはまた生まれ変わります。
人に生まれるのか人以外に生まれるのかは、その人の生き方次第ですが、この女の子からは次に生きるであろう生命力の方が強いような、次の魂を楽しみにしているような温かい感覚を感じたのです。
しばらくして家族が帰宅。
スッと色が抜けたように女の子の気配がなくなりました。
誰なんです?
座敷わらし?