不思議な言霊体験

帰宅したわたしを見て目を丸くする母。

一体何があったのか最初は分かりませんでした。

どうしたのか聞くと３０分ほど前に「ただいま」と帰宅して部屋にいくわたしの後姿を見たと言うのです。

この話しを聞いても特に驚きませんでした。

なぜならうちではこういうことがよく起こるからです。

わたし自身も先日、早朝から母が電話で喋っているので「なんでこんなに早い時間から電話するんだよー。声が響くじゃん」と言いながら廊下を歩き母の部屋へ。

部屋のドアを開けた途端声がピタッと止んだのです。

母は布団の中で爆睡でしていました。

スマホも昨晩から充電している位置からまったく動いておらず、さっき聞こえていた話し声や笑い声は一体何だったのかと気味が悪くなりましたが、再び寝ることにしたわたし。

しばらくすると…また同じ声が聞こえてきました。

音を立てないようにそろそろと歩き、母の部屋のドアの前で聞き耳をたててみたのですが、その時に分かりました。

この部屋ではない。

確かに今も聞こえているのにどこからの声なのかが分からないという不思議な感覚。

３６０度ゆっくり回ってみましたが、ずっと聞こえています。

自分の部屋に戻ったわたしは大学の頃の先輩の話をふと思い出しました。

「言霊」です。人の非常に強い思いや念、感情が言葉のような音となり家の中を渦巻いている、あるいは浮遊しているという話です。

この件でなんとなくその意味が分かったような気がしました。