音声案内の女性
投稿者:pams (61)
短編
2022/04/13
14:22
1,146view
ある冬、職場の飲み会でたらふく食べ、たらふく飲み、すっかりご機嫌な私はギリギリ終電に乗り込みました。
電車の心地よい揺れと暖房でウトウト寝てしまい、あっという間に降りる駅に到着。
ホームに降りた途端、温まった体が冬の寒さにブルルっと震え、ばっちり目が覚めました。
そしていつものようにエレベーターに乗り「一階」のボタンと「閉める」のボタンを押しました。
何秒経ったでしょうか、なぜかドアが閉まらない状態が続きます。
あれ?と思い再度閉めるボタンを押しました。
いつもなら女性の声で「ドアが閉まります」という音声案内があるのですが何もありません。
エレベーターが壊れたのかなと思いながら、もう一度ボタンを押しました。
その時、時計を見ると24時0分。
すると「乗らない方がいいです」という音声が聞こえたのです。
一瞬思考が停止しました。
しかしすぐに「私以外に誰か乗っている!」と直感で感じ、猛ダッシュで階段で降りて帰りました。
あまりにも恐ろしくて人生で一番早く走ったと思います。
今思うと、あの「ドアが閉まります」という音声案内の女性が助けてくれたのだろうか思います。
ありえないことですが、現実に起こったことなのでそう考える方が自然なのです。
この世界は不思議なことがたくさん満ちています。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 10票
なんか、こんな体験してみたい、と思う話で良かったです。