曽祖父の臨死体験
投稿者:pams (61)
短編
2022/04/05
16:04
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生死の狭間をさまよう時、人は誰に会い、どんな世界を見るのか。
生と死は常に隣り合わせで誰もが死について気にせず生きていくことは難しいと思います。
死とは?死ぬとどうなるの?そんな疑問に少しだけ答えを与えてくれるような不思議な話です。
ある夜、まだ若かった父が部屋で勉強していると、曽祖父の部屋からうめき声が聞こえたそうです。
「うー、うー。」あまりの不気味な声に父は曽祖父の部屋を除いてみると、寝ている曽祖父が苦しんでおり、父は思わず声をかけて起こしました。
「おじいちゃん、どうした?すごいうめき声だったよ。」すると汗だくの曽祖父は、「大きな川があった。私はその川を渡ろうとしていた。川の向こう側には見たことのある人がたくさんいて、おいでおいでと手招きをしていた。私はそちらに行こうとした。
けれど、どうやってもあちらに行けなかった。
近所のお地蔵様が邪魔をしたんだ。」と答えました。
その後曽祖父は100歳近くまで元気に生きました。
曽祖父は霊感の強い人で火の玉を見たことがあるとも言っていました。
曽祖父が見た川は三途の川だったのでしょうか。
もし、曽祖父があの時死ぬ定めだったなら渡っていたのかもしれません。
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