乳母車を押す老婆

隣町と私が住む町を繋ぐ道路で、霊感のあるひとは夜には行かないという場所があります。私がみると何もない三叉路の信号機のない田舎道。

仕事の送迎車で通るたびに「見ないで！」と数人が顔を下に向けたり、目をつむっているのですが理由は聞きませんでした。

しかし他のバイト先でも、心霊スポットの話になった時にその道路の話になって「新しく出来た道路だし、事故もないよね？」というと。

11時から2時くらいの間は、乳母車を引いたお婆さんがずっとウロウロしているというのです。一度、なんでこんな所に？夜中にお婆さん？と思い声をかけようか迷いながら、目で追っていた人が直後に病気になったということで一気に有名になった心霊スポットです。

後から聞いた話では、新しく道路をつくる為に、民家を数件移転してもらったこと。小さな石碑みたいなものがあったことが分かりました。

そのお婆さんは昔から、地縛霊としてそこにいるのか、その一件で何かあった人なのかは定かではありません。

見た目などを聞くと、どうも昔の人っぽいということで現代の人らしいところがなく、髪の毛もボサボサというのが余計に恐怖を感じました。

以降、私には見えませんでしたがそこを通るときはわき見をするのをやめました。