人違いだと思ってた

私は、精神科に通院しています。ある日、待合室で見覚えのある人を見かけましたが「まさかね」と思い声もかけませんでした。

その見覚えのある人とは忘れもしない前々の職場で6年間という長さで私を虐めぬいてくれた人。入社後、一か月もしない間に始まった虐め。他の同僚にも罵詈雑言を浴びせる姿は鬼のようでした。彼女に虐められた人は、意外にしぶとく平気な顔して仕事をしていた事が面白くなかったのか、虐めはどんどんエスカレート。

申し送りノートには、彼女の感じている不満で埋め尽くされたりして上司も恐怖を感じていたそうです。職場の雰囲気はどんどん悪くなり、申し送りも満足に出来ず仕事が進まないという弊害までおきていました。

そこで、上司達は話し合いの場を設けてそれぞれを人事異動でバラバラにするという案まで出てしまった。

それが嫌だった私ともう一人の同僚は退職を選んだのですが、彼女はしっかり異動先にいた。

そこは、女の戦場と揶揄されるほど人間関係が殺伐としている部署。それから数年、精神科の待合室に彼女の姿がありました。

年が近いのに、お婆さんのような真っ白な髪に色白だった顔は真っ青な顔色に変化していました。

そして何より驚いたのが人を怒鳴るような覇気や睨むような眼力もないんです。

私が隣に座っていてもリアクションは皆無で、幽霊のように前を向いたまま動かない。立ち上がったら、立ったまま動かない。彼女に何があったのか知らないが、人がそんなに急に変わるものだろうか？と思い恐怖だったという話です。