山で出会った目的不明の女
投稿者:カンニバル (7)
私は渓流の釣りが大好きでこの日も長野県の沢を登ってヤマメを釣っていました。
源流が近くなると木々がうっそうとしており昼間でも薄暗く気味が悪いです。
しかし、こういう場所は人が入っていないので大物を釣るチャンスがあります。
気持ち悪い感覚を感じながらも気にせずルアーをキャストして源流を目指しました。
すると、何か生き物に見られている感じがしたのです。
しかし、周りを見渡してもなにも居ません。
この辺りは熊も出没するので念のため、鈴を鳴らして追い払う事にしました。
すると、鈴の音に合わせて遠くの草むらが揺れたのです。
熊が居ると警戒しながらゆっくり下がっていきました。
不思議な事に鈴の音が鳴りやむと静まり返ります。
熊だと逃げるか襲ってくるはずです。
妙な感覚を覚えて気になって仕方がありません。
危険なのは判っていますがどうしても気になるのです。
しかし、一歩踏み出す勇気が無いので、ルアーボックスの中から一番重いルアーをラインに縛りキャストする事にしました。
木々に引っかからないよう、フックを外して準備完了です。
念のため、鈴を鳴らすと先ほどと同じように草むらが揺れ始めます。
そっと近づいてルアーが届く範囲まで来ました。
草むらまでの距離は約30mでしょうか。
キャストには自信があるのでピンポイントでルアーを投げ込めます。
ロッドを思い切り振り抜いてルアーをキャストしたら低い弾道で草むらに投げ込む事が出来ました。
辺りは静まり返って物音一つしません。
軽くロッドを煽ると凄い勢いで引っ張られます。
リールは大物が掛かった時にラインが出ていくようドラグという機能が付いています。
引っ張られたラインはドラグを滑らせ、ジージーと言う音と共に30m程引っ張られて止まりました。
熊のような大型の哺乳類が相手ならラインが切れているはずです。
そっとラインを巻き取ると水中でビニール袋を引っかけたような重みを感じました。
しかし、ラインは切れることなく巻き続ける事が出来ます。
そろそろ、ルアーを投げ込んだ場所まで巻き取ってきたころです。
そのまま、ルアーを回収しようとしました。
すると、草むらが大きく揺れて女性が飛び出してきたのです。
怖