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タワシシシさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

海の怪異
短編 2021/01/05 20:18 3,388view
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小学2、3年生の頃の話。

私は兄、弟が居る、3兄弟の真ん中だ。
地元は海無し県で、毎年夏休みになると北陸へキャンプに行く事をとても楽しみにしていた。

その年は石川県のとあるキャンプ場に行き、両親がテントを組み立てている最中に我慢できず兄弟3人で先に海へ向かった。
海はキャンプ場から歩いてすぐであるが、そこには人は沖の方にポツリポツリと10名位いる程度で、もう500メートル程先に進んだ所は人が密集していた。我々は、
「両親が探し易いように&人ゴミ嫌だ」という理由で人の少ない方で遊んでいた。

遊び始めて10分程経った頃だろうか、弟が悲鳴をあげたのでびっくりして見てみると、急激に沖へと流され始めた。一つ下の弟はまだ身体が小さく、何とかしなきゃの一心で私は助けに向かった。とにかく弟を浜へ浜へと押し、バタ足をし続けるよう言い二人でとにかく泳ぎ続けていたがその時誰かが私の足首を掴んだ事により水平だった身体がどんどん垂直になっていき、足を動かすことができなくなってしまった。

必死に手をバタつかせ、助けを呼ぶために思いっきり叫んだ。ポツリポツリだが人が居たから、誰か助けてくれるだろうと。
しかし誰も来てくれない。恐怖にただただ喚くしか無かった。もう駄目かと思ったその時後ろから兄が押してくれた。
「平泳ぎをしろ!とにかく掻き続けろ!」
と兄が私のお尻を押しながら泳いでくれたので、何とか助かる事ができた。弟も無事浅瀬に着いていた。
とりあえず海から上がって両親を待とう。そう思い前を向いた時、目に飛び込んてきたのは「遊泳禁止」の看板。
え!じゃあ最初に泳いで居た人達は?!と振り返って海を見てみると、そこには誰もいない大海原が広がっているだけであった。

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コメント(1)
  • シンプルながら怖く、海の情景や匂いなんかも、読んでいて感じることができて楽しかったです。

    一点、分かりにくいところがありまして、
    「海はキャンプ場から歩いてすぐであるが、そこには人は沖の方にポツリポツリと10名位いる程度で、もう500メートル程先に進んだ所は人が密集していた。」
    これをですね
    「海はキャンプ場から歩いてすぐだったが沖の方にポツリポツリと10名位いる程度で、もう500メートル程先に進んだ所では人が密集していた。」
    こんな感じに分かりやすくされてはいかがでしょうか。
    キャンプ場の前に広がる海(沖)と、500メートル先の海のほうを分かりやすく対比したほうが、読んでいる側は負担なく情景を理解することができます。

    2021/01/21/03:41

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