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心霊

右後ろの人さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

バスに乗りたかった霊?
短編 2021/12/10 07:54 937view

その日、私はバスで駅に向かおうとしていました。
いつものバス停でバスを待っていると「おい」と声がしました。
振り向きますが、誰もいません。中年男性くらいの、太い声でした。

変だなぁ。と思っていると、バスがやってきました。私の目の前で停車したのを確認して、乗り込もうとしたところで誰かに背中を押されました。
バス停とバスの間に段差があるので、私は思いっきり足を捻挫してしまいました。思わず振り返りますが、さっきと同じで人の姿はありません。
痛い痛いと思いながら、私はバスに乗り込みます。偶然、一番出口に近い席が空いていたので、足を引きずりながら座りました。

駅についたら、近くのコンビニで湿布でも買わないと……なんて考えているうちに、バスは出発します。駅までの所要時間は、約20分。

……走り出して数分で、奇妙なことが起こりました。背中がやけに寒く、目の前に星がまたたくのです。
足を捻挫したせいかなぁ、とか考える間にも、どんどん具合は悪くなります。吐き気もするし、一度バスを降りたほうが……と思い、停車ボタンを押そうとした、その時。
『○○町前ー』と、いう運転手さんの声とともに、バスの扉が開きます。すると、それまでの具合の悪さが嘘のようにスーッと治ってしまったのです。不思議に思っている間にもバスは走り、やがて目的地の駅前に到着しました。私はバスを降りましたが、多少足首が痛むだけで、気分はすっかり良くなっていました。本当に不思議だなぁ。首を傾げたその時、私はあることに気づきました。

私が最初に「おい」と声をかけられたバス停は「○○病院入口」というバス停だったことに。

もしかして、病院から家に帰りたかった霊が、私についてバスに乗り、○○町前で降りたのかな……とか、考えてしまいました。

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コメント(1)
  • 怖いというよりほんわかするお話ですね。

    2021/12/10/16:49

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