恐怖の旧校舎
投稿者:右後ろの人 (6)
学生時代の話です。
私の通う高校には、七不思議がありました。
七不思議自体はどこの学校にでもあるものですし、うちの学校のそれも、ありきたりなものばかりでした。
その中に『東校舎』という七不思議がありました。
この東校舎というのが、いわゆる旧校舎で、敷地内にある本来の入口はフェンスと錠前でしっかりと封鎖されています。
しかし、本校舎の一部が東校舎とつながっているという噂があり、私達は怖いもの見たさに、その入口を探してみることにしました。
そして、その入口はすぐに見つかりました。図書室の前を通り、曲りくねるように奥へ伸びる、廊下の先でした。
私達も何度となく図書室は使っていましたが、行くのは、その図書室まで。その奥に廊下が続いているのは知っていましたが、何があるのかは知りませんでした。
放課後になるのを待って、友達数人とその東校舎の入口へと向かいます。図書館前の廊下を曲がると、埃をかぶった消火栓が見え、そこから直角に曲がります。
すると、照明が一切ついていない状態となり、その先はまた曲がり角になっています。今度は何故か妙に赤い光が漏れてくるのです。
恐る恐る廊下の先を覗き込むと、窓から真っ赤な明かりが差し込んでいました。夕日にしては明すぎるし、それこそ、血のような色でした。
赤く染まる廊下の先に、まるでバリケードのように椅子と机が積まれていました。
そしてほぼ中央に規制線のように鎖が張られ、なんとか読み取れる文字で『立入禁止』と書かれていました。
あまりの不気味さに、私達は無言で逃げ出しました。それ以後、卒業するまでそこには近づきませんでしたが、あの場所は一体、何だったんでしょう。
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