「おめどご嫁にはむげ入れね」
投稿者:空穂 (6)
長編
2021/12/11
21:34
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「元はと言えば、うちのご先祖が悪いんだけど……今の子に罪を被せるわけにはいかないから」
「あ、あの……でも、俺とS子(奥さん)が結婚した時にはこんな儀式しませんでしたよね」
「それは、うちから嫁に出て行く結婚だからね。うちに嫁入りするときにはこうやってね……。本物の嫁の代わりに、入り込もうとするんだろうね。だから、Nちゃん(義弟のお嫁さん)は、今日来ていないのよ」
「お父さんとお母さんが結婚する時にも、同じ儀式があったんだって」
「そ、そうですか……」
Kくんは、それ以上はもう頭がパンクしそうだったので、終始生返事しかできなかったそうだ。
義両親は「家の風習に巻き込んで悪かった。お詫びにゆっくり滞在してくれ」と引き留めてくれたが、夜が明けると、Kくんはすぐに荷物をまとめて出発したそうだ。
今でも、Kくんはこの夜を夢に見ることがある。
ズルズルと着物を引き摺る音。しわがれた女の声。
そしてなにより、あの、障子いっぱいに張り付いた巨大な女の影。
まるで首がボキリと折れたかのようにブラブラ揺れていたのが、恐ろしくて忘れられないのだという。
もし、将来生まれる義弟の子どもが男の子だった場合──そしてその子が、外から嫁を取ることになったら──またKくんはあの儀式に参加しなくてはならないのだろうか。
そう思うと、耐え難く陰鬱な気持ちになるのだそうだ。
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おもしろかった!!
なんとなく八尺様を思い出しました
Kくんお疲れ様です。
先祖と時代が違うってのを教えてあげなくちゃ逝けないね!
男衆は生贄みたいなものかな
でも見ちゃったらどうなるんだろう
次その風習に参加するときは、貴方のほうから、「貴女をひどい目に合わせた人はもうここには居ない」と説得し納得させたみてはいかがでしょうか。
じゃないといつまでもその風習は終わらないし、その女性もうかばれない様な気がします。
本家だけに執着してるようだから
無くしちゃえば?本家。
万が一義弟夫婦に子供が産まれなかったらいい機会。
もう養子縁組だの新しい嫁で再婚だの余計なことをして本家存続はしないように。
田舎のいかにもな話だな。バケモンも大変だ。
何も事情を知らぬ、血縁者でもない親戚をわざわざ呼び付けて参加させる意味は?
頭数は多ければ多いほどいいってこと?
事情を知らない人間を入れると失敗する恐れがあるのにね。
いかにも片田舎にありそうないわくつきの話です。
無念の死を遂げた不憫な娘の怨念は、そう簡単に消えることはないでしょうが、もうかなり昔のこと。未だに誰一人成仏させてあげられないとは情けない。大の大人たちが、事情も知らない部外者まで巻き込み、ただただ怯えおののくだけの体たらく。読みながら怒りすら湧いてくる胸糞話ですが、内容ストーリ展開、実話かどうかは定かではないが、面白く読めました。
方言から見て秋田県の県南地方なのかな。面白かったです。
話に引き込まれ凄く面白かったです。
相手にしてみれば、酷い仕打ちを受けそれでも律儀に嫁に貰ってくれと出てものの、拒絶され続ける事を考えると何とも理不尽で切ない話でした。
もし、失敗した時はどうなるのか?怨みの強さから恐ろしい事になるのは必至ですね。
大丈夫。慣れる。
あちゃー、このセリフ、噛んでしまいそう。
途中までエロ漫画展開かと思ってしまった
悲しいお話だった
滅多に出会えない上質な怪談でした。ありがとうございます。
子孫に罪は無い?拒み続けて傷付け続けて罪は無い?
そんなクズみたいな家系は廃れてしまいなさい。
子孫に罪はない。
「もし自分の親が殺人者だった時、自分が償う」そういう気概を持った奴だけが、彼らを避難できるとは思う。
私は親に罪や借金があった場合相続を拒否すると思う。
逆に自分が被害者だった場合、犯人を死ぬほど恨むが、その子供達に牙を剥くことは無い
怪異とは、これくらいの距離感が心地いい。