四十九日まで
投稿者:こはる (15)
これは、甥っ子と祖母の話です。
今から15年ほど前、私の祖母が亡くなりました。祖母は気丈な性格で気が強いと言ってもいいくらいでしたが、
とても世話好きで、子供や孫にご馳走したり、欲しいものを買ってあげたりして、みんなが喜んでいる姿を見るのが大好きでした。
その頃、甥っ子は4歳頃でした。祖母にとっては曾孫にあたります。甥っ子はとても頭が良くて他の子よりも覚えがよく、成長が早かったのを覚えています。そしてお喋りが好きで、おもちゃで遊びながらも色々話しながら取り組むんだりする子でした。
ある日、病気だった祖母がなくなってしまいました。お喋りが好きな甥っ子は、よく病室へ行き、入院中の祖母とおしゃべりしていたようです。祖母もそのことをすごく楽しみにしていました。
もちろん、甥っ子は人が亡くなる、ということがどういうことかはわからずに葬儀の時も理解できないまま過ごしていました。
少し落ち着いた頃、不思議なことを甥っ子が言い始めたんです。「あーたん(おばあちゃん)あのね、今日ねママがね買い物でね…」と、1人で遊びながら誰もいない方を向いて会話しはじめたらしいのです。
初めはギョッとしたそうですが、それはそれ以降も何度かあったそうで、外にいても上を見ながら「あーたん、なんでそこにいるのー」と、笑ってたり...。
そのうち家族も祖母が来てるんだな。と納得するようになりました。
それは四十九日頃まで続き、それ以降はパタッとなくなったそうです。
その後、甥っ子の家族に色々あり、両親は離婚し、母親の実家に行っても甥っ子はそこの家族に可愛がられず苦労していました。
きっと、甥っ子が大好きだった祖母は心配して何か伝えようと何度も甥っ子の家に行っていたのかもしれません。
今思い出しても不思議な話です。
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