狸か狐にばかされた話
投稿者:pams (61)
叔父から聞いた話です。山奥に住んでいる叔父が筍を取りに山に入りました。
午前中に入ったので太陽が燦燦と降り注ぎ、とても気持ちの良い天気だったそうです。たくさん筍が取れたので、まだ早い時間でしたが帰ることにしました。
重たい籠を担いで山を下り、停めた軽トラを目指していると、なぜだかどんどん山の奥へ歩いて行ってしまい、方向感覚を失ってしまったそうです。
自分がいる位置がまったく分からなくなってしまい焦った叔父は気持ちを落ち着かせる為、籠を降ろし周りを見渡した時、向こうで湯気が出ている小さな小さな温泉に近所の知り合いがつかっているのを見て驚いたんだそう。
話しかけると「気持ちええよ~あんたもどうかね」と言われ、まだ明るい時間だったと言うこともあり、言われるがまま入ったとの事でした。
山中を歩き回ったのでかなり足腰は疲れており、汗を流せてとても気持ちよかったと言っていました。
どのくらい経ったのか、気付いた頃には辺りは真っ暗になっており、一緒に入っていたあの近所のおじさんもいません。
慌てて体を拭き、山を降りようと急いでいると、スッと昼間のような鳥の声や風になびく木々のざわめきがどんどん大きくなって聞えてきました。
そして静かに目が覚めました。自分でも知らない間に山の中で横たわって眠っていたそうです。
ようやく軽トラで家路に着き家族に話すと、狸か狐にばかされたのではないかと笑われたそうです。
翌日、笑い話にとあの温泉に入っていた近所の人に話すと、みるみるうちに顔つきが変わったそう。
よくよく聞くと、その人も昨日山に入り方向感覚を失い、家族が捜索して見つけたとき、裸で馬糞のため池に入って「気持ちええの~」と肩に馬糞をかけていたそうです。
驚いた家族は急いで引っ張りあげ連れて帰ったということでした。
同じ日に実際にそんなことが起きていたという不思議さと不気味さにただただ驚愕したと言っていました。
こういう系の話めっちゃ好き!
馬糞の肥溜めって珍しいですね。
おじさんは何の肥溜めに浸かってたんですか?