窓の外のおかっぱ頭

これは私が中学校の時の話です。当時、校舎の老朽化に伴い立て替え工事がありました。
私たちの学年も卒業までには新校舎に入ることができると分かり、嬉しかったことを覚えています。
しかし、いまだに思い出しても不思議な出来事が新しい校舎で起こったことも同時に記憶に残っているのです。

きっかけは同級生が「外に人がいる」と言いだしたことから始まりました。何を言いだしたのかとたずねてみると「1階の教室の窓におかっぱの頭がひょっこり出てすぐに消えた」と言うのです。
授業中だったこともあり誰にも言えないでいた、とのことですが、その話から端を発し何人かの同級生が「私もみた」と言い出したのです。
はじめは何かの見間違いや集団心理的なものかなとも思っていましたが、その同級生は「確かに見た」「別の日にも見た」「2階でも見た」と度々言うので気味悪がっていました。

旧校舎での話ならシチュエーション的に何かがいてもおかしくないとは思いますが、真新しい校舎でなぜ？と疑問でした。

そんなある日、私が学校祭の準備で遅くまで残っていた時のことです。19時を過ぎた頃でしょうか。1階のフロアから階段で2階の教室に行こうとした時です。視界の端に2階の階段付近で誰かが立っているのが見えました。
きっと残っている同級生だろうと思い、階段を駆け上り「まだ残ってるの？」と声をかけようとしたところ、姿がありません。空目かと思い周囲を見回りましたが廊下には誰も出ておらず、教室に入ると数名の残っている生徒がいました。
誰か階段の近くにいた？とたずねましたが作業中で皆、教室のなか。私は怖くなり急いで帰宅しました。
その後、いつの間にか騒ぎは収まり、皆の記憶に残っているか定かではありません。今後、同窓会でもあったらその時の事を確かめてみたいと思います。
心霊体験と呼べるかもわからないとても小さな出来事ですが、不思議な体験でした。