B君はガタガタと震えながら、まるで赤ちゃんのように小さく丸まっていました。
「あ……あ……あ……」
と、口をパクパクさせるだけ。
A君が、
「おい!! 何があったんだよ!?」
と声をかけたところ、そこである異変に気づきました。
後部座席の足元一面に、海水が溜まっていたのです。
しかも、その中には小さな魚が数匹。
魚はまだ生きていて、ピチピチと跳ねていたそうです。
「!? なぁ!! 何があったんだ!? 彼女は? 彼女はどうしたんだ!?」
A君がB君の両肩を掴み、何度も揺さぶって聞いても、
「あ……あ……あ……」
としか言いません。
もう1人の女性も、
「友達はどこに行ったの!? ねえ! 何があったの!?」
と叫んでいたそうです。
すると、B君がガタガタと震えながら、ようやく言葉を発しました。
「魚が……魚が……」
A君が、
「魚がどうしたんだよ!?」
と聞き返しても、
「魚が……魚が……あ……あ……」
と、虚ろな目で繰り返すだけ。
結局、何が起きたのかは分からなかったそうです。
すぐに警察へ連絡し、捜索が始まりました。
しかし、数日経っても女性は見つからず、何が起きたのかも分からないまま。
そしてB君は、その出来事以降、精神的に正常な状態に戻ることができなかったそうです。
その後、精神科病院へ入院。
退院することはなく、数十年経った現在も入院している、と聞きました。
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