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ゴンゾウさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

取材メモ:深夜写真店で現像された十三枚目
長編 2026/09/04 16:10 126view

付箋だけ残っていました。

受付台帳も確認しました。Kという名前も、十二枚撮りのフィルムを預かった記録もありませんでした。

ただ、レジの売上は、現像代と十三枚分のプリント代が合っていた。

——男から受け取ったのは、十二枚分ではなかったのですか。

そのはずです。

当時は一枚単位でプリント料金が加算されました。私は十二枚として金額を伝え、男もその金額を払った。それなのに、レジの記録では十三枚分になっていました。

不足金も過剰金もありませんでした。

店長には、私が受付を台帳へ書き忘れたのだろうと言われました。写真についても、客に返したことを忘れているだけだと。

そう言われると、反論できませんでした。

——その後、同じ客は来ましたか。

一度だけ見た気がします。

翌年の春、駅の反対側ですれ違いました。

顔を覚えていなかったので、同じ人物だったかは分かりません。ただ、その人が透明な写真袋を持っていたんです。

袋の一番上に、うちの店内を写した写真が入っていました。

カウンターの内側から撮った写真です。

そこに立っていた店員は、私ではありませんでした。

     *

取材の最後に、Sさんは一枚の紙を見せてくれた。

当時、忘れ物の保管箱に残されていたという付箋である。

粘着力は失われ、紙の端には黒い汚れが付着している。表には日付と受付番号、それから「写真一枚」と記されていた。

受付番号に該当する注文が台帳に存在しなかったため、Sさんが自宅へ持ち帰ったという。

「字は自分のものです。ただ、こんな色のペンは店にありませんでした」

記載には、薄く褪せた紫色のインクが使われている。

私は付箋の両面を撮影し、その場でSさんに返した。

帰宅後、写真をパソコンへ移して確認したところ、付箋の裏側にも文字が写っていた。

肉眼で見た時には、何も書かれていなかった面である。

表と同じ筆跡で、短くこう記されていた。

「十三枚目 取材者預かり」

念のためSさんに画像を送ったが、そのような文言を書いた記憶はないという。

付箋はいまもSさんの手元にある。

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