——男は戻ってきましたか。
十一時三十五分頃に。
引換券を出したので、私は袋を棚から取りました。
写真を一緒に確認しますか、と聞いたら、必要ないと言われました。男は料金を払い、袋を受け取ろうとしました。
その時、袋の口から十三枚目だけが落ちました。
床ではなく、カウンターのこちら側です。
私は拾って、何となくもう一度見ました。
写真の中の時計は、十一時三十七分を指していました。
実際の時計も、ちょうど十一時三十七分でした。
写真の中の私はうつむいていました。
その手には写真がありました。
そこまでは最初に見たとおりです。
ただ、その写真の中で、カウンターの向こうに誰かが立っていました。
顔は写っていません。
写真の上端から顎の辺りまでが切れていて、ジャンパーの胸元と、カウンターに置かれた片手だけが見えました。
目の前にいた男と同じ服でした。
——最初にプリントを見た時、その人物はいなかった?
いなかったと思います。
自信はありません。未来の時刻が写っていることばかり気にして、向こう側まで見ていなかったのかもしれない。
私が黙っていると、男が「それ、店に置いておいてください」と言いました。
——十三枚目を?
はい。
そう言って、残りの写真とネガを持って帰りました。
私は呼び止めませんでした。写真一枚くらい、いらないのだろうと思ったんです。
男が店を出た後、十三枚目を受付袋とは別の保管箱へ入れました。忘れ物として、日付と受付番号を書いた付箋も貼りました。
それから閉店まで、客は来ませんでした。
——翌日、店長には報告しましたか。
しました。
でも、写真を見せることはできませんでした。
保管箱からなくなっていたんです。

























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