写真は2014年7月から始まっていた。
どうやら4人家族らしい。
娘は写真を撮られるのが好きだったようだ。
カメラに向かって変顔をしている写真が多い。
弟の頬を両側から引っ張っている。
犬と一緒に床で寝ている。
父親の背中に乗っている。
数年分を飛ばしながら眺めていると、知らない子なのに、
成長していく姿が微笑ましかった。
2017年9月。
そこで写真の雰囲気が変わった。
最初は、何の写真なのか分からなかった。
深夜の暗い廊下。
次も廊下。
また廊下。
突き当たりに白いドアがあり、右側に階段がある。
人は写っていない。
翌日にも似た写真が7枚。
その翌日は13枚。
何を撮っているんだろう。
数日進める。
廊下。
突き当たりのドアが、少し開いている。
さらに開いている。
全開になっていた。
その次の写真には、娘が立っていた。
白いパジャマ姿で、こちらを向いている。
暗くて顔はよく見えない。
その写真だけ、妙にぶれていた。
翌朝。
家族4人で朝食を食べている写真。
娘もいる。
普通に笑っていた。
それからも深夜の写真は続いた。
階段。
廊下。
玄関。
子供部屋。
誰もいない部屋を、何度も何度も撮っている。
その中に、1枚。
昼間の庭で撮られた写真があった。
父親と息子が芝生に座っている。
娘はその後ろで犬を抱いている。
母親が撮影したのだろう。
何の変哲もない写真だった。
ただ、娘だけがカメラを見ていなかった。
家の2階を見上げている。
気になって、写真を拡大した。
2階の窓。
カーテンの隙間に、誰かが立っている。
女の子だった。
長い髪。
白い服。
娘によく似ていた。
だが娘本人は、庭にいる。
偶然だろうと思った。
親戚の子かもしれない。
それとも家族構成を勘違いしていただけか。
ところが、その日の写真をさらに進めると、家族も同じものに気づいたらしかった。
2階の窓を撮った写真が19枚続いている。
そこから、娘の写真が急激に増えた。
横顔。
後ろ姿。
寝顔。
食事中。
テレビを見ているところ。
1日に何十枚も撮られている。
記念写真ではない。
明らかに、何かを確認している。

























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