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不思議体験

キジニャンさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

すみません
長編 2026/08/30 14:15 53,204view
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命に別状はなかった。

ただ、その日を境に辞めてしまった。

「何があったんですか?」

「本人は、『2時頃からの記憶が無い』とだけ」

店長は続けた。

「その頃から夜勤の人間の間で、2時から3時はバックヤードにいるように、っていう暗黙のルールができた」

僕は、初日の店長の言葉を思い出した。

「必ずバックヤードにいてください」

あれは単なる仕事の指示ではなかった。

「じゃあ、あの声は……」

店長は首を横に振った。

「分からない」

僕は黙っていた。

「だから夜勤の人には、呼び鈴が鳴らない限り売場へ出るなって教えてる」

「…それが、唯一の手段なんだ」

⸻⸻

それから月日が経った。

僕はしばらく、そのコンビニで働いた。

2時から3時はバックヤード。
呼び鈴が鳴ったらレジへ行く。

自動ドアの音がして、普通のお客さんが入ってくる。
3時になればトラックが来る。

そんな毎日を繰り返した。

あの女を、もう一度見ることはなかった。

やがて、僕はそのアルバイトを辞めた。

それから、さらに時間が経った。

もう、あの日のことを思い出すことも少なくなった。

けれど、
今でも一つだけ、

どうしても慣れないことがある。

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