そして、飲料売場へ向かった。
冷ケースを見る。
さっきまで欠品していた下段のチューハイやビールも、補充する。
あの隙間から見えたものを思い出す。
何度も背筋が寒くなった。
それでも、その日はいつも通り午前6時まで働いた。
⸻⸻
次の出勤日。
23時頃、店長が僕の顔を見て言った。
「この前、一人で夜勤の日あったよね?」
「はい」
「2時台、何かあった?」
僕は一瞬迷った。
そして、全部話した。
3時前に聞こえた声。
自動ドアの音がしなかったこと。
飲料ケースの裏から見た女。
這うように近づいてきたこと。
耳元で「すみません」と言われたこと。
そして、トラックの運転手から聞いた話。
店長は最後まで黙って聞いていた。
そして、
「……そうか」
とだけ言った。
「やっぱり、出たんだね」
僕は聞いた。
「やっぱり…って?」
店長は少し迷ってから話し始めた。
僕がこの店に来る前から、夜勤の間でとある話があったらしい。
昔、この店で夜勤をしていたアルバイトが、一人で勤務していたときに倒れた。
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