しかし、異変はすぐに起きた。
旦那さんと奥さんが、妙に落ち着かないのだ。
玄関から出たり入ったり、、
何かを気にしているように、そわそわしている。
何をしているのだろう。
最初は、引っ越してきたばかりだから荷物の整理でもしているのだろうと思った。
買い物のついでに、その家の前を通り過ぎるたびに、そんな光景を何度か見かけた。
そして、ある夜。
いつものように犬の散歩に出かけた。
時刻は23時頃だった。
その家の前を通り過ぎようとした、その瞬間だった。
突然、
――バンッ!
玄関のドアが勢いよく開いて
旦那さんが飛び出してきた。
そして、目を大きく見開いたまま、私に向かって言った。
「今、うちの窓、ノックしましたか?」
あまりにも突然のことだったので、私は驚いた。
「は? ……いえ。窓なんてノックしてないですし……犬の散歩をしていただけです」
少し引き気味に答えた。
すると男性は、
「……あ……そうですか。すみません」
そう言って、呆然としたように家の中へ振り返った。
その後ろから、奥さんが不安そうな顔をして玄関からこちらを見ていた。
私は何となく嫌な感じがして、そのまま帰宅した。
そして、やはりというべきなのか。
その家族も、ほどなくして引っ越していった。
また、家が空いた。
その後、また新しい人が引っ越してきた。
そして、その人も同じだった。
家の外に立って、窓をじっと見ている。
まるで、何かを監視しているように。
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