ある日、母から電話があった。
「お米送っといたから」
実家から毎年送ってくれる米だった。
宅配便。
私は少し嫌な予感がした。
「いつ届く?」
「今日じゃない?」
母は何も知らない。
まさか米を送り返してとも言えず、そのまま電話を切った。
その日は仕事だった。
昼休み。
防犯カメラを確認した。
玄関には誰もいない。
当然だ。
午後1時47分。
スマホに通知が来た。
母が使った配送会社からではない。
防犯カメラのアプリだった。
「接続が切断されました」
心臓が跳ねた。
すぐにアプリを開いた。
接続中。
接続中。
映像が出ない。
何度更新しても駄目だった。
1分。
2分。
3分。
午後1時51分。
映像が戻った。
玄関。
誰もいない。
私は息を吐いた。
でも。
廊下の奥に、段ボール箱があった。
米だった。
カメラは玄関ドアを正面から映している。
誰かが入れば絶対に映る。
録画を巻き戻した。
午後1時46分58秒。
誰もいない玄関。
午後1時46分59秒。
同じ。
午後1時47分。
映像が止まる。
次の映像は午後1時51分。
そこにはもう段ボールが置かれている。
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