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不思議体験

montageさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

置き配の写真に、私が写っていた
長編 2026/08/10 11:14 587view

私はその日の仕事を早退した。
帰りの電車の中で、配送会社に電話した。
伝票番号を母に聞いて、配達状況を確認してもらった。
やはり配達済みだった。
「置き配ですか?」
私が聞くと、
担当者が答えた。
「いえ、対面でのお渡しになっています」
まただ。
「配達した人と話せますか」
しばらく待たされた。
そして男性が電話に出た。
声を聞いた瞬間、分かった。
前と同じ配達員だった。
向こうも覚えていたらしい。
「あ……」
それだけ言って黙った。
「今日も女の人が出ましたか」
私は聞いた。
しばらく返事がなかった。
「出ました」

「どんな人でした?」
「……前と同じ人です」
電車の音が急に遠くなった。
「覚えてるんですか?」
「はい」
「どうして?」
また沈黙。
「今日、変なこと言われたんです」
「何て?」
男性が息を吸った。
「『今日は写真、撮らないんですか』って」
私は何も言えなかった。
「前に写真を撮ったの、覚えてたみたいで」
最初の洗剤。
置き配の写真。
銀色のメーターボックス。
配達員の後ろに立っていた女。
「それで……」
男性の声が少し震えていた。
「すみません。こんなこと言ったら変なんですけど」
「はい」

「前回は気づかなかったんです」
「何に?」
「似てるなって」
喉が鳴った。
「誰にですか」
「電話してる方にです」
「私の顔、知らないですよね」
「今日見ました」
「え?」
「玄関に、写真が飾ってありましたよね」
そんなものは飾っていない。
「旅行の写真みたいな。何人かで写ってるやつ」
私は大学時代の友人たちとの写真を1枚だけ持っている。
でも、それはリビングの棚に置いてある。
玄関からは絶対に見えない。
配達員が続けた。
「その写真に写ってる人と、荷物受け取った人、同じ人ですよね?」
声が出なかった。
「……すみません」
男性が言った。
「次から、できれば僕を担当から外してもらいます」
電話が切れた。

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