「みんない~い!途中で隠れて脅かすのはナシだからね!足元暗いしビックリして斜面に脚を滑らせないとも限らないからね!…コースはAコースの矢印に従って進んでね。途中の展望台の紙を一枚取るのも忘れないように!…じゃあ、一番手が行ったら五分置きに出発するよっ!」
運動施設に付随した宿泊施設の裏山のハイキングコースが肝試しのルートだった。
まばらながらも外灯は設置されているので懐中電灯が無くてもオーケーだ。
目的地に着いたら同じルートで戻らなくてもいいのでバッティングすることもない。
偶然だが肝試しのルートとしても適していた。
自分とうみちゃんは一番最後だ。
展望台の紙が入った小さな段ボール箱も回収しなければならないし、顧問の立場上そうなるのは仕方ない。
時計を見たうみちゃんがヨシ!行こうと言った。
「怖くなったら腕に掴まってもいいのよ?…(笑)」
と、からかう言葉も付け加えた…
「あ~!なんかいかにもうみちゃんが言いそうなセリフ!」
1人がしみじみ呟いてみんな笑った。
「話の腰を折っちゃったね!ゴメンゴメン続けて…」
展望台までは緩やかな斜面の登りが続く。
道幅はかろうじて二人並んで歩けるくらいだ。
分岐点に差し掛かると板の矢印看板が設置されているのでほぼ迷うことはないだろうが、うみちゃんはいちおう反対側の道の先の方にも視線を向けていた。
誰かが間違えて行ってないか気にはなるのだろう。
「あれ…」
うみちゃんが自分のTシャツの袖をひっぱった。
なんか影らしきものが動いた気がしたと言う。
気になったら確認しない訳にはいかない。
我々はコースを逸れた反対のコースを進んだ。
「確かに居たん…#####!!!」
喋り掛けたうみちゃんが途中から変な声を上げてビックリした!!
うみちゃんを追い抜き折れ曲がった道の先を見ると、ぼんやりと人影が立っていた…
うみちゃんが二の腕を掴んできた。
(ダメ…行っちゃダメ…)
真剣さ丸出しの小声で諭してきた。
不思議なのは暗くて10メートル以上は離れているのに、その人影がこちらを向いているのがわかった。
その影がこちらににじり寄って来た。
さすがにお互いにしがみつくような格好になった。
近づいてくるとどうやら女の子らしいのがわかったが、わかったらわかったでもっと不気味になった。
女の子がこんな時間に1人でこんな場所にいること自体がありえないからだ。
体型からして中学生くらいに思えた。
どんな服装をしていたとかハッキリ思い出せないのだが、顔だけは覚えている。
十年位経った今でも…


























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