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不思議体験

風内 鈴夏さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

ホテルの男
短編 2026/07/16 21:05 106view

ただ一つ、部屋の角にあるベッドの真下を除いては。

ベッドのスカートが、不自然に少しだけめくれていました。

清掃員は吸い寄せられるように近づき、床に膝をついて、ベッドの下を覗き込みました。

薄暗いベッドの底。

そこには、男のスーツケースや、脱ぎ散らかされた服、コンビニのゴミなどが、すき間なくぎゅうぎゅうに詰め込まれていました。

そして、その荷物の奥の、最も暗い壁際に。

男がいました。

男は、自分の膝を抱えて、小さく丸まって座っていました。

衣服はボロボロで、髪は乱れ、目だけが異様なほどギラギラと輝いています。

清掃員と目が合った瞬間、男は人差し指を自分の唇に当て、掠れた声でこう囁きました。

「……静かに。見つかっちゃうだろ。あいつ、もうすぐ仕事から帰ってくるんだから」

男は、自分がこの部屋の主だと思い込んでいたのです。

では、毎朝フロントに鍵を預け、仕事に出かけていたあの男は、一体誰だったのでしょうか。

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関連タグ: #コンビニ#声#髪の毛
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