俺が中学生だった頃、
“ブラックメール”って遊びが流行っていた。
女子のフリをしてメールを送って、友達を釣るっていう
今思えばかなり悪趣味な遊びだ。
当時はガラケーで、セキュリティも甘かったから
こういうイタズラがやたら流行っていた。
俺らはその日も、
いつものようにタクヤの家に集まっていた。
メンバーは、
俺とケンジとタクヤ。
部屋にはポテチのカスとジャンプが散らばっていて、
テレビで音量を絞った再放送のバラエティが流れていた。
「今日誰に送る?」
ケンジが携帯を弄りながら言う。
「シュウでよくね?」
「あ〜、いいな。
あいつ絶対引っかかるじゃん。」
シュウは同じクラスの男子で、
ノリはいいけど女子慣れしてなくて、
こういうイジリへのリアクションが良かった。
「誰のフリする?」
「ミサキ。」
その名前に、
俺たちはなんとなく納得した。
ミサキはクラスでも大人しい方で、
男子とほとんど喋らない。
だから逆に、
ボロがでにくいと思ったのだ。
俺たちは“s-onlylove@✕✕✕”と新しいアドレスを作って、
シュウにメールを送った。
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