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呪い・祟り

読書家さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

七夜目の記録
短編 2026/07/01 16:17 326view

向こうから声。

「まだ?」

神崎は笑う。

「もう返事はしない。」

静かに目を閉じる。

障子は開かなかった。

朝。

看護師が病室へ入る。

神崎は穏やかな表情で亡くなっていた。

枕元には、誰も置いた覚えのない古いICレコーダーが一台。

電源は切れている。

遺品整理の担当者が何気なく再生ボタンを押す。

表示された録音件数は――

**1件。**

再生時間は**00:00:07**。

スピーカーから流れたのは、風の音でも、人の声でもなかった。

ただ、誰かが部屋の中を歩いているような、ゆっくりとした足音。

一歩。

また一歩。

そして最後に、ごく静かな息遣い。

録音は終わる。

担当者は首をかしげ、「空録りかな」とつぶやいて停止した。

そのICレコーダーは機器の不具合として廃棄され、以後、同じ型番の記録は見つかっていない。

**完**

10/10
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