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意味怖(意味がわかると怖い話)

Mameさんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

【サンプルをどうぞ】
長編 2026/07/01 00:12 163view

総務の山田さんにはひとつの悩みがあった。
若いころから抜け毛が多く、気が付くともう頭頂部は薄くなり、
額のあたりもずいぶん後退しはじめていた。

髪に良いとされるいろいろなものを試してきたが、どれも山田さんの薄毛を回復させるには至らず、特に塗り薬はダメで、むしろ頭皮が赤くなって炎症し、さらに悪化した。

薄毛は病院に・・・という話も聞いたことはあったが、とにかく恥ずかしい。
薄毛ごときで病院になんぞかかれるか、という思いもあった。

また、カツラをする気にもなれなかった。
いまさらヅラをかぶって会社通勤をする方がよっぽど恥ずかしい。
笑われるだけだと思っていた。

そんなことを考えながら、トイレの洗面台に向かっているところを
海外営業部の高尾部長に見られてしまった。

「なんだ、山田さん~。やっぱ薄毛で悩んでんでしょ」ガハハと笑う高尾部長。

「え・・・まぁ・・・」人の気も知らないで笑いやがって、と少しムッとする山田さん。

「イイクスリ、あるよ。ちょっと分けてやろうか?」

「いや~、クスリはね・・・頭皮が赤くなったり、なかなか合わないんですよねぇ・・・」

「大丈夫だよ、飲み薬だから。・・・実は私も飲んでるんだよ」

「えっ、部長が? 」 そう言って山田さんは部長の頭をマジマジと見てしまった。

確かに、年の割にはフサフサで、白髪交じりではあるが薄さはまったく感じさせない。

「仕組みは私にもよくはわからないんだけどね、本当は他の病気のためのクスリだったらしいんだけど、これを飲んだ患者の薄毛が改善する効果が認められて、今では薄毛対策の特効薬だと言われ始めているんだ」

「へぇ・・・そんなクスリがあるんですか」

「試しに10錠あげるよ。合わなきゃやめればいいし。サンプルよ、サンプル」

「サンプル・・・副作用みたいなのは・・・」

「ハハハ。ボクはもう1年くらい飲み続けてるけど、いたって健康・・・しいて言えば」

「しいて言えば?」

「ちょっと体毛が濃くなったのと、あと、爪の伸びるのが早くなった気がするよ」

「体毛はわかるとして・・・爪ですか」

そう言って山田さんはまた部長をじろじろ見まわした。確かにヒゲもやや濃いし、もみあげも立派だ。いや、むしろそれで貫禄さえ感じる。
爪はと言えば、きれいに整えられている。・・・そう、爪は伸びたら切れば良いのだ。
なんてことはない。

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