大学二年生の頃、俺は深夜のアダルトショップでアルバイトをしていた。
店員は基本的に俺一人。客はほとんど来ない。暇な時間は店の商品を読んでいても怒られない。給料は安かったが、かなり気に入っていた仕事だった。
その日も客は一人も来ず、俺はレジに座ったままうとうとしてしまった。
どれくらい寝ていたのかは分からない。
ふと目を覚まし、何となく監視モニターに目をやった。
女がいた。
店の奥、レジから死角になる通路に設置されたカメラに映っている。
カップルの冷やかしではない。
店内にいる客は、その女一人だけだった。
女はじっとこちらを見ていた。
いや、正確には監視カメラを見ていた。
長い髪が顔を覆っていて、表情は分からない。
だが、確かにこちらを見ている。
その異様さに、俺は思わず椅子から転げ落ちた。
慌てて立ち上がり、もう一度モニターを見る。
女は消えていた。
どこへ行った?
店の奥へ移動したのか。
確認しに行くべきか迷っていると、再びモニターに女が映った。
だが今度は一人ではなかった。
女は誰かに馬乗りになっていた。
その人物を見て、俺は息を呑んだ。
俺だった。
モニターの中で、女は俺を押さえつけている。
そして何か鋭いもので、何度も、何度も突き刺していた。
鮮血が飛び散る。
床に血だまりが広がる。
俺はモニターの前で立ち尽くした。
当然だ。
刺されているはずの俺は、今こうして生きている。
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