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心霊

アクセルさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

こっちか
短編 2026/04/22 00:10 78view

俺には1つ下の弟がいる。
正直自分で言うのもなんだがかなり似ていると思う。学校では双子だと思われたりすることもあった。

俺はぶっちゃけ勉強が嫌いで、部活がとにかく楽しい。
逆に弟は成績がめちゃくちゃ良くて、スポーツは苦手。そういう正反対なところもむしろ兄弟っぽいかもしれない。

そんな弟が、最近変な夢を見ると言う。
「気が付くと真っ暗な空間にいて、どこからともなく見たことの無い女がゆっくり近づいてくる」のだという。

夢の中の弟は声をあげることも逃げることもできず、ひたすらその女を見ているだけ。
なんとも不気味な夢だ。
俺は夢占いをネットや本で調べてみたが、特に該当しそうなものはなかった。

その話を聞いて数日後、汗だくになって起きてきた弟が言う。

「女が日に日に近づいてくる」のだと。

最初は半信半疑だったが、弟はその日を境に見る見る憔悴していった。
得意だったはずの勉強も手が付かず、担当教師に心配されるほどだった。

ある日、弟が頼み事をしてきた。
「怖いんだ。あの女昨日、もう目の前まで来てた。どうなるか分からなくて、怖い。だから今日だけでもいいから一緒に寝てくれ」

心の底から絞り出すようなお願いを、俺は断ることなんてできなかった。

その日、俺は彼と同じベットで寝た。
「俺が横にいてやるから、大丈夫」
そういうと、弟は安心したのか、すぐに眠りについた。

あれから何時間たっただろう。いつの間にか俺も眠っていたようだ。隣の弟を見ようとしたが、そこには何もいない。

いや、弟だけじゃない。部屋の中になにもない、まるで”真っ暗な空間にいる”ようだ。

まさか。そんなわけ…。
ヒタッ…ヒタッ…
後ろから何かが聞こえる。

恐る恐る振り返ると、そこには見知らぬ女がいた。長い髪を振り乱した裸足の女だった。
そんな馬鹿な。弟の隣で寝たから、俺も巻き込まれた?
動けない。目を逸らせない。逃げられない。
だんだん近づいてくる女を、俺は凝視することしかできない。

女は俺の目の前まで来て、俺の顔を見上げ、言った。

「ああ、こっちか」

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