その後彼女は普段物置きに閉じ込められている事、親に暴力を振るわれている事、ご飯をまともに食べられていない事、学校に通っていない事を話してくれた。
私は彼女を可哀想に思った。
私「…もしよかったら、また来なよ。僕、よくあの公園の前通るから。」
幸代「ありがとう。」
公園まで行けば道が分かると言っていたので彼女を公園の近くまで送った。
幸代「今日は本当にありがとう。」
私「うん、また来てね!」
けれど彼女はそれ以降公園には現れなかった。
それから約十五年後、私はまた彼女に会った。
それは、あの崖だった。
幸代「…久しぶり。」
私「久しぶり。元気だった?」
幸代「うん、元気。でも…」
私「…でも?」
幸代「私ね、幸せが何か分からないんだ。何をしても楽しくないし。だけど、思ったの。…生きるより死んだ方が幸せなんじゃないかって。…貴方もそう、思いませんか?」
彼女は、私が返事をする前に崖から飛び降りてしまった。
それ以降、その崖は彼女の名前から「幸崖」という名前になった。地元の人は皆、「しあわせ(幸せ/死合わせ)の崖」なんて言って近寄る事は無かった。何せ、其処は命を代償に幸せを得る場所だからだ。
けれど何かの拍子にネットで出回ってしまい、観光で訪れる者が多々あった。それから其処では自ら命を断つ者が絶えなかった。
きっと彼女は私のことを待っているだろう。私が行くまでこの呪いは終わらないだろう。
私で、この呪いを終わらせた方が良いと、
貴方もそう思いませんか。





















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