「まぁまぁ先輩、このあと渋谷に焼肉食べに行きましょ。そこでA5食べましょうよ」
なだめる九郎。
「焼肉か~・・・。リネアにも焼肉食べさせてあげたかったね」
リネアはスウェーデンから研修に来ていた大学生である。
先月まで一緒に働いて、一緒に社員旅行にも行って仲良くなっていたのだが、
急遽帰国となっていた。 (※詳しくは【スウェーデンから来た悪魔】を参照)
「アイツはトンカツ一筋ですからw」と笑う九郎。
(「・・・へっくちん・・・あぅ~」 遠くスウェーデンの地でくしゃみをするリネア)
「ねぇ九郎、渋谷の焼き肉屋って、やっぱ松濤(しょうとう)組の?」
「ハイ、姐さんが来るとなれば、なに頼んでも全部タダですよ!」
「ぶはっ、やめとくわ。九郎ももうヤクザじゃないんだから、足洗わないと」
「はぁ~い・・・そうだ・・・一度聞きたいと思ってたことがあるんですけど・・・」
九郎が朽屋の方をまっすぐ向いて質問してきた。
「なに? 改まって」
「ボクと姐さん、初めて会った日のこと、覚えてますか?」
「もちろん覚えてるわよ。・・・松濤組の組長のお爺ちゃんと、若頭の桐原さんと一緒にここに来たのよね。・・・お二人とも亡くなっちゃって・・・組長さん、昔カタギでカッコいいお爺ちゃんだったな」
「あの時・・・姐さん、銃に弾が入ってないことを見抜いて、桐原さんからトカレフ奪って分解してみせたじゃないですか」
「うん、まぁ動きでね、弾は入ってないってわかったよ」
「その後ですよ、ボクがトカレフを組みなおして、ポッケから7.62mm弾出して、姐さんに銃口を向けたんですよ。なのに姐さん、顔色ひとつ変えずに撃たないでしょって」
「ははは、まぁ状況的にね、あそこで撃ったら組長に当たっちゃうかもしれないし」
「そこで1個気になることを言ってて、ずっとひっかかってるんですけど・・・」
「なに? なんか言ったっけ」
「あの状況で、もし本当に撃っても、なんとかできるよって言ったじゃないですか・・・目の前に銃口があって、撃たれて、助かる人間なんているんですか?」
「う~ん、何て言うかなぁ・・・例えば九郎が引き金を引いたとするじゃない。そうすると指の筋肉が動いて、引き金を引いて、それがハンマーに伝わって、弾丸のプライマーを叩いて小さな破裂が起きて、それが成形炸薬に燃え移って、ガスが一気に膨張して、で、弾頭が押し出されて、バレルの中を押し広げながらガスと一緒に銃口から出て、ライフリングのせいでくるりんくるりん回りながらヒョーンって飛んでくるから、それをヒョイっと」
「ヒョイっと?」
「そう、ヒョイっと避けるんよ」
「できるかそんなことーーーー!!」九郎、久しぶりにブチ切れた。
「ひぃっ」
























Manaです。自分で書いてて一番楽しい、朽屋瑠子シリーズ。今回は今年初めに大事件の起こったベネズエラを舞台に、朽屋の活躍を描いたものなります。少年と絡むことで、オネショタ好きな界隈には受けたかもしれないですね。途中から登場のミゲル隊長は自分の中ではランバ・ラルのイメージです。
ところで、自分的に一番ショックだったのが、これを書いてる最中にアメリカがイランを攻撃しちやって大変なことに・・・せっかく最新の戦場を描こうとしたのに、もう古くなってしまいました。
現実の方が物語より早いし、そんなシナリオ描けません。
まさかトランプさん、エプスタインとかから目をそらしたくてこんなことしてんじゃないでしょうね~なんて思ったり。
一応物語はフィクションということで、お楽しみいただければと思います。
・・・それでは、チャオ。