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特別投稿

志那羽岩子さんによる特別投稿にまつわる怖い話の投稿です

聖なる分別
短編 2026/02/25 08:55 95view

本が、そう私に囁いています。

私は、かつて存在した「クラス」という幻を思い出そうとします。
友達の笑い声、並べられた出席番号。
でも、名簿を開くと、私の名前だけが、雪解けのように消えている。
最初から、この世に私なんていなかったみたいに。

けれど、私はここにいます。
黒板には、私が愛した言葉が、呪文のように幾重にも書き込まれている。

世界は二つに分かれています。

清らかな方と、汚れた方。
信じる者と、堕ちる者。
私と、それ以外。

私は「清らかな方」にいます。いなければいけないんです。
そうじゃないと、あの廊下の声に、肉を削ぎ落とされてしまうから。

今、こうして書いているこの日記も、本の最後のページと同じ、震えるような美しい字になっています。

ふと見ると、隣のページには、私じゃない誰かのために、もう言葉が用意されていました。

「次は、あなたです」

誰のことでしょうか。クスクスと笑いが止まりません。
廊下の足音が近づいてきます。
ゆっくりと、私を迎えに来る、死神のような優しい足音。

もし明日、私の席が綺麗な空洞になっていたら、それは「完成」の合図です。

世界は、ちゃんと、美しく二つに分かれたのですから。

[月うさぎ ◆x7J8mY2Q]

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