すると彼は改めて俺の方を見ると「ところでお前に一つお願いがあるんだ」と言うと、さっきの鈴を手のひらに乗せた。
「こいつをお前にやろう」
そう言って彼は俺にそれを手渡した。
その鈴をしげしげ見ながら俺は「これを何で俺に?」と問う。
篠原はニヤリと意味深な笑みを浮かべると、ゆっくり口を開いた。
「その鈴を自宅のどこかにぶら下げて欲しいんだ」
未だに意味が分からず訝しげな顔をする俺を横目に、彼は続ける。
「俺は恐らく一月もしないうちに、この世を去ることになると思う。
そしたらお前は恐らく、俺という人間はきれいさっぱりこの世から消え去ったと思うだろう。
でも魂だけになった俺はその鈴を鳴らすんだ。
俺はちゃんとここにいるぞってな。
その時お前は初めて気付くだろう。
死後の世界というのはあるんだと」
最後に篠原はこう言った。
「俺さあ前は死ぬのが怖くて怖くて仕方がなかった。
でも今はちっとも怖くない。
だって悩みも苦しみもなく仕事もしなくていい、そんなところに行けるんだぞ。
考えるだけで楽しくなってこないか?
フフフ、、、
ハハハハハハハ、、
ア~ハ!ハ!ハ!ハ!、、、
ア~ハ!ハ!ハ!ハ!、、、」
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そこまででもなかったかな。
実際、亡くなった方の匂いや線香の香りは時々ありますね。
コメントありがとうございます
─ねこじろう
篠原さんのご病気の末期症状は、人によって痛みの度合いが違うと聞きましたが、緩和ケアの最中に言動が荒々しくなる人もいるそうです。若くして逝かなければならない篠原さんは、とにかく大笑いしたくなる程辛かったのでしょうね。
現実にありそうなお話ですね。お友達の形見だとしても、私も怖いから、このような鈴を飾りたくないな。
人は辛さが極限になると、笑いが出てくるのでは?
と考えてます─ねこじろう