篠原は何がそんなに楽しいのか、狂ったように笑い続けた。
ただ目は笑っていない。
それは止まらず、何だか居たたまれなくなった俺と実奈は逃げるように立ち去った。
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年が明け、三度目の木曜日に篠原は亡くなった。
享年は34。
独身で家族持ちではない彼の葬儀は、数少ない身内だけでしめやかに行われたようだ。
篠原にもらった鈴は自宅アパートの机の中にしまい、ぶら下げるなどというようなことはしなかった。
理由は単に怖かったから。
本当に鈴が鳴るなんてことあり得ないとは思っていたのだが、それでも万が一現実に起こったらと思うと恐ろしくて出来なかった。
ただそのためかどうか分からないが、篠原の死以来、体調が良くない。
時折みぞおちがキリキリ痛むのだ。
連日の激務と不規則な生活からだろうか?
食欲も体重もかなり減った。
たまにめまいもある。
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さらに最近は奇妙な夢まで見るようになった。
まるで昔の映画のような情景だ。
どこだろう?
山奥の秘境にある露天風呂のような、そんなところに俺はいる。
岩場に突っ立っている俺の目の前は白い湯けむりが立ち込めており視界ははっきりとしないが、数人の人影が動いているのが見え男女の楽しそうな笑い声が聴こえてくる。
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