「そういや重田、電話ボックスで電話する真似してたじゃん?あれでお前も“イケナイ”て言ってたけど、ありゃどういう意味よ?」
「そりゃあ・・・声だけじゃ“イケない”って意味に決まってんだろ!」
一同大爆笑。重田の下ネタに大ウケしたあと、僕らはそれぞれ家に帰りました。
それから数日後でした。重田は相変わらず部活にやってくることはなく、心配になった僕は1人重田の家に向かいました。夕暮れどき・・・綺麗なオレンジ色の夕日を眺めながら自転車を漕いでいたんですけど・・・なぜかそのとき何か凄い胸騒ぎがしたんです。
重田とは連れの中で一番仲が良かった。保育園からずっと同じクラスだったし、親同士も仲が良い。だからこそ、数日前に重田に会った時にある違和感に気づいていた・・・。
「そのときは言えなかったんですけど、重田の様子が少しおかしかったんです。何ていうんですかね、あいつ困ってるときに妙に威勢が良くなるというか、虚勢を張る癖があって」
思い返せば電話ボックスでの件、重田の電話でのやり取りについて話が振られたときにその癖が出ていたんです。普段は下ネタなんてあまり言わないヤツが急に口にして。おかしいなとは思ったんです。ただ、そのときは笑って済ませたんですけど、あのあとも部活に出てこないことからやっぱり何かあったんだ・・・って思って。
重田の家に着きインターホンを鳴らす。すると重田のお母さんが出迎えてくれた。
「ごめんね、義弘まだ調子悪くて寝ているのよ」
そういって遠回しに僕に帰るよう促してきました。無理にでも会おうと思ったんだけど、おばさんの表情がどこか暗くてそれ以上言えなかった。仕方なく僕が帰ろうとしたときでした。重田が弱々しい姿を見せたのです。
「心配かけてごめんな・・・」
部屋にあがった僕に開口一番、重田は謝罪の言葉を述べました。数日前までは血色の良かった顔が、青白くげっそりとしていた。
そのことに触れようとしたとき「実はな・・・」と重田が先に話を始めました。
「あの晩、俺たち3人は例の心霊スポットに行ったろ。あそこでさ、俺は呪われたかもしれない」
「どういうこと?」
「付き合いが一番長いし、俺はお前を親友と思っているから聞いて欲しい。
あの晩、お前たちと別れたあと、峠道を進んで例の心霊スポットがある3つ目のトンネル手前まで着いてさ。多少怖かったけど、そこらへんを探索したんだ。でも特に何もなかった。それじゃ帰ろうかってときに電話ボックスから電話が鳴る音が聞こえてきてさ。2人は気づいている様子が無かったんで、最初は俺を揶揄う演技かと思った。でも本当に聞こえていない様子でさ。いつまでも鳴り続けているし、ここまで来て何もないっていうのもなぁって思って、電話に出てみることにしたんだよ。そしたらさ・・・
イケナイ・・・イケナイ・・・
って女の声がしたんだ・・・噂通りにさ。マジで怖くなったんだけど2人の前だし、怖がらせないようにって俺も演技したんだわ。何が”いけない“かって聞いたらさ・・・”こっちに来たらわかる“って言ってきた。
電話を切って脇道に目をやったら女がいてさ、手招きしてた。そこで帰ればよかったんだけど2人がさ、せっかくだから脇道を進もうって言いだしてさ。言い出しっぺは俺じゃん?ここまで来て“行けない”とは言えなくて・・・それで俺も行ったんだよ。
進んでいくとさ、行き止まりに本当に池があった。でも不思議と2人は見えている様子はない。2人して「何もない」って言ってたし。対岸みたらさっきの女が手招きしてた。もう逃げ出したかったんだけど、池を見たらその女の姿は映っていない。俺も映っていなかった。
全部、噂通りでさ。そこから俺たちは何事もなかったように帰ってきたんだけど・・・」
「それで呪われたかもしれないって具体的にどういうことなんだよ」
「電話がさ、毎晩・・・毎晩掛かってくるんだよ。俺にしか聞こえない電話がさ」
「そんなわけ・・・」
「本当なんだ。俺にしか聞こえない。でも怖くて出ることができない」
「それなら家にいたらまずいんじゃないか?」
























小さいころからの親友なのに苗字読みは嘘くさくなる
怖い
普通に怖い😱
イケメンナイ