今になって、このカップルはおかしなことばかりだということに気づいた。
夜中の冷える山中で、あんなにラフな格好をしていて寒がる様子が無かった。
それに私たちがいたあの道は廃神社に行くためだけのもの。
普通のナビはルートさえ表示されない。
たまたまここを通りかかったと言った時点でおかしいと気づくべきだった。
あれこれ考えているうちに車のスピードが上がっていることに気がついた。
カーブの度にタイヤが『キーーッ』と甲高い音を立てる。
足は依然として動かず、振り回されないようにドアの取っ手に必死にしがみつく。
次のカーブが見え、この速度では曲がりきれないと悟った。
今の私にはもはや祈ることしかできない。
そして、その瞬間が訪れる。
「ギャリッ——ガシャァンッ!」
鉄が裂けるような物凄い音がした。
ガードレールが悲鳴をあげて、車体が崖から飛び出す。
何もかもがスローモーションになったかと思うと、そこで意識が無くなった。
次に目を覚ました時、私は見知らぬ病院のベッドに寝ていた。
体は鉛のように重く、腕からいくつもの管が伸びている。
側にいた看護師が私に気づくなり、慌てて誰かを呼びに行った。
しばらくして、私を担当されていると思われる医者が来た。
医者「気がつかれましたか。ご自身に何が起きたのか覚えていますか?」
私「よく、覚えていません…。」
医者「あなたが乗っていた車が事故に遭ったんですよ。別の車と正面衝突して、あなたが乗っていた車は炎に包まれました。幸い付近の住民の皆さんが協力して下さり、あなたは助かったのです。」
段々と記憶が蘇ってくる。
私(そうだ、あの時、私たちは同棲を始めるから、部屋探しのために隣町へ行っていたんだ。その帰り道、Aが運転していて私は助手席に乗っていた。カーブに差し掛かった時、対向車線から車が大きくはみ出してきて、ぶつかったんだ。あれ、待って。あなたはってどういう事?)
私「あの、Aはどうなりましたか?」
医者「…同乗されていたAさんは、残念ながら救助が間に合いませんでした。病院に着いた頃にはもう手の施しようがありませんでした。」
私「…。そうですか…。」
すごく悲しいはずなのに何故だか不思議と医者の言葉は腑に落ちた。
医者「他にも私から伝えておかなければならないことがあります。」
私「え?」
























伏線回収すごい
YouTuberおもろい