10年以上前に勤めていた会社の近くに無人駅があった。
田舎なので特別珍しくもなく、会社近くの無人駅を利用することもあった。
ある日の仕事終わりに食事をすることになり、私は車を会社に置いたまま、駅を利用し街へ向かうことにした。
お酒は飲まないが駐車場を探したりするのが面倒だったからだ。
仕事を終え、同僚に連絡を済ませ、駅で電車が来るのを待っていた。
ホームにあるベンチで待っていると遠くの方から、「……………ください。」と微かに聞こえてきた。近所の家のテレビとかだと思い、その時は気にもしなかった。
まもなくして、電車がきて乗り込んだ。
同僚達と楽しい時間を過ごし、帰路についた。
電車内には私しか乗客はおらず、静寂に包まれていた。ウトウトし始めた頃に会社の近くの駅に到着。
電車を降り、階段を降りようとした瞬間、
「黄色の線までお下がり下さい」
私は放送を聞いた瞬間、眠気が一気に吹き飛び、その場から動けなくなった。
この無人駅では放送などならない。
今まで一度も聞いたことがない。
困惑しながらも、
「夜は放送なるんだ。そうだったのか。」
などと無理矢理な理由をつけて納得しようとしていた。しかし、
「黄色の線までお下がり下さい」
再度、放送が鳴った。
無視して階段早歩きで降りた。
しかし、階段を降りたはずが何故かホームに戻ってきていた。
「は?なんで?」
と思っていると何者かに後ろからトンっと背中を押されてホームの中心によろけながら進んだ。
私は再び階段に向かおうとしたが階段は無くなっていた。
すると、
「黄色の線までお下がり下さい。」
と三度放送が鳴り、
「そもそも、黄色の線なんてねぇだろ!」と思いながら線を探すとあるはずのない線がハッキリと電車の乗込口付近にあった。
恐る恐る、線のところまで行くと、暗闇の線路の先から、
「ぺたん…ぺたん…」
電車ではなく、何者かがゆっくりとこちらに歩いてくるような音。
私は身を乗り出しながら暗闇の線路の先に目を向けてると、ゆらゆらと何者かが歩いてきた。
その瞬間、




























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