あまりにも女子大生を祭り上げる姿に少し寒気がした。
いくら気になる女性といえど、そこまでちやほやするのはどうしたものか。
オンラインゲーム内だけの関係なのにね。
女子大生がオフ会参加したくないって言うのも分かる気がする。
実際に会ったら何されるか分かったもんじゃないし。
・・・すると、その会話を聞いていた大森先輩(40代後半 男性)が側にやってきて、静かに話しかけてきた。
以下は大森先輩から聞いた話。
大森先輩は20年前にあるオンラインゲームで遊んでいた。
当時所属していたギルドには女子高生がギルドのアイドルとして君臨していたが、女子高生は特定のギルメンから嫌がらせを受けており、他のギルメンに助けを求めることも多かった。
ギルメンは加害者のことを避けるようになり、加害者は「私は何もしていない!」と必死になって言い訳をしていたが、結局は加害者も女子高生もギルドを脱退する結果になってしまったそうだ。
で、大森先輩が少し強めの口調で続きを語る。
「あの時の俺は女子高生をいじめる悪い奴が居たと思っていた」
「だが、実は違っていた」
「あの後、女子高生とリアルで会ったギルメンが居たんだが・・・」
「女子高生ってのは嘘だった」
「本当は40代のおっさんだった」
「嫌がらせを受けていたのも嘘だった」
「女子高生のふりをして、ギルドの中の気に入らないメンバーを悪者に仕立て上げて、みんなが自分の思い通りに動くことに快感を覚えていたんだな」
「今思えば、サイコパスだったのかもしれないな」
「リアルで実際に会ったギルメンはショックを受けたそうだ」
「女子高生だと思っていたのに、嫌がらせを受けた可哀想な子だと思っていたのに」
「まぁ、やりたい放題やった後に本性を晒すところもそいつの手口だったのかもしれない」
「その後どうなったのかは分からない、会ったギルメンは人間不信になってしまった」
「だから、オフ会に参加したくない女子大生も、もしかしたら・・・何か裏があるかもしれないことを頭に入れておいた方がいいぞ」
「俺は後悔しているんだ、あの時に悪者に仕立て上げられたギルメンが失意のままゲームを辞めてしまったことを、苦しんでいたのに気付いてやれなかったことを」
「〇〇(私のこと)の親戚の人だって、恋愛感情絡みで嫌がらせを受けてゲームを辞めてしまった」


























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