「浮かんでる」と言う記憶しかありません。
左カーブの時に見たトタンに背中に寒気が来ました。毛がざわつくような感じです。
目が合ったのかもしれません。
通り過ぎました。(次のカーブでもいるのか?)とアクセル踏んでなるべく素早く曲がれるよう
ギアに手を添えて準備しました。
すぐに右カーブが見えてきますが、人影は浮かんでいませんでした。
次の左カーブにいるのかと準備しましたがいませんでした。
(消えた?・・いなくなった?)と思いながらも早くこの峠道を抜けたくて速度を上げました
かなり昇ってきたのでもうすぐ峠道ではなくなるはずだろう。と思った時です
ガタ・・カタカタと音がしました。
車内に響いて来ます「カタ・・カタ・・」
(何の音だろう)とミラーを見る、後ろでは無いようです。
「カタカタカタ・・ガタガタ」
それは助手席のドアを開けようとしている音だったのです
走っている車の助手席を誰かが外から開けようとしてるのです
ここからも記憶が曖昧なのですが、もう前しか見れませんのでフロントガラスだけを見て
悲鳴あげながら走らせていたと思います。横を見れませんしバックミラーも見る事が
出来ません。
絶対に目が合ってしまうと確信したのです。
なにがドアにくっついているのか想像しか出来ません。それが物凄い恐怖だったのです
それがドアノブを引いて開けようとしてるのです。
シートから背中を浮かせてハンドルを抱えるようにして前だけ見て走ることしか出来ません。
それほど恐怖の時間でした。
そして軽井沢の街の明かりと街灯が見えて来た時にようやく気配は無くなりました。
街灯の光が車内に入るのがこんなに心強いとは思いませんでした
「あれはなんだ・・・?」とようやく考える事が出来たのです。
友人達の待つ貸別荘に着いた時にはかなり精神的にも楽になっていましたが、この経験を
話す気にはなれませんでした。なぜか話すと悪い事がおこるような気がしたのです。
翌日、気になって車の助手席側をよく見てみましたがノブが汚れてるわけでもなく
ドアも綺麗なものでした。























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