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心霊

青鬼さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

犬鳴トンネルで撮った写真に写り込む白いもの
短編 2021/03/30 20:13 1,814view

父から聞いた話しです。
父の友人に、カメラマンをしているA田さんという男性がいました。
A田さんは怖いもの知らずな性格で、仕事が休みの日は度々、心霊スポットを巡り、記念写真を撮るということをしていたそうです。

ある時、A田さんは、福岡県にある犬鳴トンネルへ行きました。
そこは心霊スポットとして有名なトンネルですが、A田さん以外にも肝試しに来ている人が何名かいたので、怖い雰囲気は全然なかったようです。

いつも通り、三脚を置いて、トンネルを背景に、フィルムカメラでセルフ撮影をしたA田さん。
カシャッとシャッターが降りる音がした瞬間、A田さんは、視界の端に白いものが見えました。
不思議に思ってあたりを見渡しても、白いものは見えません。
「見間違いかな」と、思ってその場を後にしたA田さんですが、後日写真を現像して、驚くことになります。

なんと、A田さんの首に巻き付くように、白い煙のようなモヤモヤしたものが、写り込んでいたのです。

「とうとう心霊写真が撮れた!」と、興奮したA田さんですが、もう一度写真を見て、青ざめました。
A田さんの首と体が、ズレたように映っていたからです。

A田さんは、その日から視界の端でチラチラと見える白いものに悩まされるようになりました。
そして、A田さんが仕事で撮影する写真にまで、白いものが写り込むようになってしまったのです。

精神的に参ってしまったA田さんは、伝手を頼って霊媒師に相談することにしました。
霊媒師に写真の供養などをしてもらった後は、白いものも見えなくなったそうですが、ストレスが祟ったのか、A田さんは病気になり長期入院することになりました。

今は病気も治り、無事退院出来たA田さんですが、白いもやについては強烈なトラウマになっているようで、もう心霊スポット巡りはしていないそうです。
心霊スポットには、本当に“写り込んでしまうもの”があります。
興味本位で心霊スポットに行って、A田さんのように持って帰ってしまわないように、気を付けないといけませんね。

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