1時間のはずが・・・2日間行方不明になった話
投稿者:青鬼 (5)
私が小学生5年の頃まで、毎年お盆になると、家族みんなで父の親戚が住んでいるY県に帰省していました。
5年生以降はY県へ帰省しなくなったのは、5年生の時に帰省した際に起きた、不思議な出来事が関係しています。
Y県の親戚は60代70代ばかりですし、ご近所の人も若くて40代くらいで、私と同じ年代の子供がいません。
また、私と同年代の親戚がいないため、帰省すると、私はいつも1人で遊んでいました。
遊ぶと言っても山くらいしか近くにはありません。
また、大人からは「山に入ったらあかんよ。〇〇様に迷わされるよ。行くなら山の手前にある〇〇神社までにしとき」と強く言われていたのです。
そのため私は毎回、親戚の家から徒歩10分の〇〇神社まで行って、境内をくるっと巡って親戚の家まで戻る、を繰り返して暇をつぶしていました。
その日は、朝起きた時から、何だか耳がおかしかったです。
誰かが傍で何か囁いているようで、でも上手く言葉が聞こえず、モヤモヤしていました。
でもしばらくすると慣れて気にならなくなったので、いつも通り〇〇神社まで散歩に行きました。
境内を何気なく歩き、階段を下りて、さて親戚の家に帰ろうと思ったのですが、いくら歩いても全然親戚の家に到着しません。
いつもなら10分歩けば到着するのに、この日だけなぜか30分以上歩いているはずが、全然親戚の家が見えてこないのです。
子供の私は、「不思議だなぁ」と思いながらも、あまり気にせず歩き続けていました。
体感で1時間歩いたと思います。
ふっと周りの景色が揺らいだかと思うと、目の前に親戚の家が見えました。
「やっと着いた、疲れたな、ジュース飲みたい」と思いながら親戚の家に入ると、泣きはらした両親と、青ざめた顔の親戚、そして数名の警察官が目に入ったのです。
「今まで何してた!?あんた、2日もどこ行ってたの?」と言う、母の言葉に驚きました。
どうやら私は、2日間も行方不明になっていたようなのです。
私が「〇〇神社行って、そっから全然家に着かなくて、1時間くらい歩いてやっと帰ってこれた」と言うと、親戚が「ああ…、そういや〇〇ちゃんが亡くなったのは、あの日やったか」とつぶやきました。
後から分かったことですが、私が行方不明になった日は、親戚の〇〇ちゃんという女の子の命日だったのです。
〇〇ちゃんは、私と同じ小学5年生で、〇〇神社のあたりで事故に遭い、亡くなったそうです。
無事に帰ってきたこと、私が誰かに連れ去られたのではないことから、警察官は事件性なしということで帰っていきました。
私も、あれからちょっと勘が冴えるようになったくらいで、とくに変わりはありません。
でも、両親は今回のことを重く見たのか、それ以降、私をY県の親戚の家に連れて行くことがなくなりました。
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