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ヒトコワ

御室真代さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

忘れられないよ
長編 2025/10/01 03:25 21,665view
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私の人生の悪夢の始まりは中学生くらいの頃。

両親が離婚して、私は母に、兄は父に引き取られた。

私が高校生になってから、父と兄とは連絡がつかなくなり、養育費が入らなくなった我が家の家計は苦しくなっていく。

その後、母は無理が祟って死んでしまった。

母は天涯孤独だったから、私を引き取る人は居なくて。でも施設暮らしだけは嫌だったから、母と暮らしたワンルームのアパートで必死にバイトしながら生きた。

それで、色々耐えれなくなって私は死のうとした。

結局死ねなかったけど。

自殺に失敗して、病院のベッドの上で目が覚めた時、自分の体の頑丈さを呪うしかなかった。

腕が折れたくらいだったから。

医者は脳に損傷がある可能性があるとか言ってたけど、よく分かんないし、早く死にたかったから、もうほっといてよって言って、病院から逃げ出した。

でも、もう死ぬ勇気はなかった。

脳への損傷で勝手に死なないかなとかは思ってた。

そんな私の人生の悪夢はここからが本番だった。

バイト帰り、駅のホームで電車を待っていると、見知らぬ男と目が合った。

その男は目が合った瞬間、ニィっと笑って、こっちに駆け寄ってきて、そんで、

『天王台駅でしょ』

って、低い声で呟いた。私が降りる駅だ。

怖いなんてもんじゃない。全身鳥肌が立って、頭がぐわんぐわん揺れて、ひどく痛んだ。

全力で走って逃げて、その日は歩いて帰った。

しばらく怖くて電車に乗れなくて、しばらく歩いて帰ることにした。

歩いて帰るようになってしばらくした頃、

いつもみたいに夜道を歩いて帰っていると、後ろの方から声が聞こえた。

『おーい、おーい、カンダチカ、待てよー』

って。

私のフルネーム。

咄嗟に後ろを振り返って、戦慄した。

あの時の男が手を振りながら走ってくるのが見えたから。

『おーい、おーい』って、機械に台本読ませてるみたいな声で。

1/5
コメント(7)
  • なんかキツいですね😭

    2025/10/10/04:12
  • 迫力のあって素晴らしかったです!🥶

    2025/10/11/12:38
  • 兄ならもっと違うアプローチの仕方あるだろうに^^;

    2025/10/21/16:01
  • とてもこわい

    2025/10/28/14:31
  • お兄ちゃんかーい

    2025/10/30/14:54
  • お兄ちゃん怖すぎ

    2025/11/07/09:00
  • きになるー!

    2025/11/12/18:46

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