付き合いの悪さは人間関係に直結する。
お洒落な水着も着たいし、友人とも遊びたい。
彼氏も欲しい。
そんな俗な事を考えていた矢先、私の海嫌いを知らない知り合いから「海水浴に行こう」と誘われた。
…いい機会かも知れない。
私は勇気を出して、友達の誘いに乗る事にした。
…
友達と一緒に訪れた海水浴場。
そこは奇しくも、過去、私が溺れた海と同じ場所だった。
友達には私の過去の事は話していない。だから友達に他意はない。
今日、私がこの海水浴場を再び訪れたことは、ただの偶然である。
だが…。過去を乗り越える場所として、この海は都合が良いのかも知れない。
この偶然を私は前向きな形で捉える事とした。
…
浜辺に着いた私は、水着に着替え、ゆっくりと砂浜を踏み締める。
波打ち際の一歩手前。
ここから一歩踏み出せば、そこには海水がある。海がある。
私は喉をごくりと鳴らして、唾を飲み込み。
さぁ。一歩を踏み出せ。
勇気を出せ。
成長しろ。
私は、自分の足元に目を向ける。
大丈夫。
もう、足首の痣は消えている。
ヒヤリとした海水の冷たさが、私の足を包んだ。
波が私の腰を濡らす。
…気付いた時には、私は胸元まで海に浸かっていた。
…
ゆっくりと海を泳ぐ私。
砂浜では友人が手を振っている。
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