帰りの車中で今日のことを考えていた。
車窓の外の街灯がぼんやりと道を照らしていた。
「根津くんはどう思った?」
「そうすね。
なんかぶっ飛びすぎてて理解ができなかったんですけど、自分の人間性を確認するために大事なものを壊すなんて、それこそ人間やめてますよね。
大事なものを壊さないようにする方が人間的かなぁと、俺は思いました。」
不意に私の視界に何かが横切った気がした。
それを追って、視線がフロントガラスの向こうの景色から運転席の根津に切り替わる。
根津を指差す小さな手が見えた。
FMラジオから流れる音楽がぼやける。
私の中の大事な何かが車窓の外の闇に滲み出し、溶けていった。
私以外の声が頭の中を反響する。
それは、子供の笑い声だった。
なぜ?次は私なのか?
中原の言っていたことが、私にも理解できてしまった。
「根津くん。車を停めて。運転変わるわよ。」
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